リスティング広告運用において重要な掲載順位ですが、意外とこの掲載順位がどうやって決まっているのか知らない方も少なくありません。
「運用しているリスティング広告の表示回数が伸びない、、、」
「表示回数は伸びてきているけどクリック率が伸びない・・・」
といった悩みは、広告掲載順位を上げることで改善できる1つの方法です。
その他にも掲載順位を上げることでのメリットがありますので、今回はそんなリスティング広告の掲載順位の仕組みや掲載順位を上げるための改善方法を解説していきます。
[本記事はこんな悩みのある方にオススメです!]
・リスティング広告の掲載順位って重要?
・リスティング広告の掲載順位の上げ方がわからない・・・
・リスティング広告のクリック単価・クリック率を改善したい!
・リスティング広告の効果を全体的にあげたい!
リスティング広告の「掲載順位についての仕組み」がわかれば、課題を解決するための「改善対策」も効果的に行えるようになりますよ!
リスティング広告掲載順位の決まり方
リスティング広告はGoogle・Yahoo!の検索エンジンに連動して表示される広告で、ユーザーが検索したキーワードにマッチした最適な広告が表示されます。
広告主は限られた広告表示枠に広告を表示させるためユーザーの1回のクリックに対しての価値(費用)に入札し、Google・Yahoo!はユーザーのキーワード検索毎に「オークション」をおこない、入札した企業の中から掲載順位を割り振り広告を表示させていきます。
Google・Yahoo!リスティング広告の「オークション制」にはそれぞれ掲載順位を定めるための基準があり、その基準を理解して広告を作成することが上位掲載させるために重要になります。
リスティング広告掲載順位って重要?
そもそもリスティング広告で広告を上位表示することは重要なのか?と思われる方もいるかもしれません。
しかし実際には広告を上位にあげることは様々の理由でメリットがあり、広告効果を最大限に上げるうえで重要になります。
広告上位掲載のメリットとして以下のようなものが挙げられます。
①表示回数が増える
②クリック率(CTR)が向上する
③クリック単価(CPC)を下げられる
④広告ランクが上がる(下記で詳しく説明します)
一例として上記メリットの「クリック率」では、広告表示が1位(最上位掲載)のものと、2位で表示されたものでは10%近く差があり、1つの順位差だけでCVやCVRにも大きく影響します。
※詳しくは下記参考情報をご覧ください。
参考:Search Engine Watch:PPC Click-Through Rate by Position: Does Rank Matter? [Data]
掲載順位に重要な広告ランクとは?
リスティング広告の掲載順位は、Googleでは「広告ランク」、Yahoo!では「オークションランク」と呼ばれるランク指標によって決定します。
この広告ランクは入札単価だけではなく、「品質スコア」と呼ばれる広告の質や「広告表示オプション」などの要素を掛け合わせて、総合的に評価の高い広告が上位表示されるよう定められています。
上限クリック単価(入札単価)
広告を掲載する際に広告主が1クリックあたりに支払える金額の事を指します。
上限クリック単価は広告グループまたはキーワード事に設定することが可能です。
品質スコア(品質インデックス)
品質スコア(Yahoo!広告では品質インデックス)は、検索するユーザーに取って最適な広告かどうかを決める指標の事を指します。
品質スコアは広告管理画面でも確認することができ、10段階で数字が高いほど品質の高い広告として評価されます。
※Google広告での確認方法は管理画面左の「キーワード」を選択し、「表示項目」をクリックして品質スコアカテゴリを追加することで閲覧可能です。
この品質スコアの構成は下記3つの要素によって評価されます。
■Google広告の場合
①推定クリック率
ユーザーが広告に対して興味関心が高いかどうかを図る指標です。
ユーザーの検索ニーズに合った広告かどうかGoogleが判断算出し、推定クリック率が高ければ品質スコアが向上しやすくなります。
②広告キーワードと広告文の関連性
広告作成時に設定したキーワードや広告文章がユーザーの検索ニーズにマッチするかどうか判断する指標です。
ユーザーの検索クエリに対して広告キーワード・広告文の関連性が高いと品質スコアが向上します。
※検索クエリ…ユーザーが検索する時入力したキーワードのこと。
③ランディングページの利便性
広告クリック後アクセスするランディングページ(LP)がユーザーにとった利便性が高くニーズを満たす内容かどうか、広告キーワード・広告文との関連度合いを測る指標です。
こちらの要素もユーザーのニーズとランディングページの関連度が高いと品質スコアが向上します。
■Yahoo!広告の場合
Yahoo!広告の場合は上記Google広告の品質スコア要素に下記要素が含まれ評価されます。
・表示URLの過去のクリック率
その表示URLが過去にどれだけクリックされたかの実績値です。
・インターネットユーザーの検索クエリ
・各種デバイス(PC、スマートフォン、タブレット)での広告掲載実績 など
広告表示オプション
広告表示オプションは、Google・Yahoo!広告作成で見出し文、説明文だけではアピールしきれない情報をオプションとして追加することができる設定機能です。
例えば広告クリック先以外のページURLを追加するサイトリンク表示オプションや、電話番号を表示させる電話番号表示オプションなど様々なものがあります。
この広告表示オプションを広告作成時に設定することで広告の占有率が上がりクリック率(CTR)向上にもつながるため、品質スコアにも良い影響を与えます。
特に上記の「品質スコア」は下記のような3つ要素によって構成されており、この3つの要素を改善していくことで入札単価を抑えて広告を上位表示することが必要です。
リスティング広告 掲載順位決定のイメージ
リスティング広告のオークション制による掲載順位の仕組みを理解できたところで、実際に広告が広告表示枠に掲載されるまでのイメージを解説していきます。
入札単価だけでみた掲載順位の場合
例えば自分の会社がリスティング広告の広告クリック1回あたりの入札単価を100円に設定して広告掲載したとします。
その時仮にA社、B社も広告掲載すると、入札単価のみで掲載順位が決まる場合は以下の順位になります。
A社の入札単価が400円と一番高いため掲載順位は1位、次いでB社の200円で自社の入札単価より高いため2位になり、
一番安価な入札単価の自分の会社が一番低い順位になります。
このような入札単価だけの掲載順位となると、資本力のある同業他社に勝ち目がありません。
しかもこの方法での掲載順位づけでは、ユーザーのニーズにマッチしない広告の表示も増える可能性があるため、
GoogleやYahoo!では「品質スコア」「その他の要素」も含めてユーザーに最適な広告が上位表示されるよう仕組み化されているわけです。
広告ランク基準による掲載順位の場合
それでは先程の入札単価に加えて上記品質スコア・広告表示オプションをそれぞれ表示した場合はどうでしょうか?
入札単価の一番低い自社が品質スコア9で一番高く、逆に入札単価で一番高かったA社は一番品質スコアが低い結果の場合、入札単価と品質スコアの掛け算により広告ランク上では自社が900以上となり掲載順位は3位から1位にランクアップします。
また上記順位づけのポイントは、入札単価そのものは金額が変わっていないにも関わらず掲載順位が上がるということです。
品質スコアの要素である「推定クリック率」「キーワード・広告の関連性」「ランディングページの利便性」の改善方法は様々ですが、重要なのは「ユーザーのニーズ」に最適な情報を各要素で改善を繰り返していくことです。
クリック単価(CPC)の決まり方
広告1回あたりのクリック単価(CPC)は掲載順位によって大きく変動します。
広告作成時に設定する入札単価(上限クリック単価)とは実際のクリック単価は異なり、オークションによる競りの結果で広告ランクが1つ下の広告より上位に表示するために必要な最低限の金額がクリック単価となります。
この実際支払うクリック単価の計算式は以下になります。
上記計算式のをもとに、先程例にあげた3社の実際のクリック単価を確認してみましょう。
自社よりも一つ広告ランクが下のA社の広告ランク(802)に自社の品質スコア(9)で割り、プラス1するとクリック単価は90円となり(四捨五入して)、自社で設定している入札単価(上限クリック単価)よりも安価に上位へ広告掲載できていることが上記例で分かるかと思います。
もちろん広告ランクが低く掲載順位が低い状態だと、入札単価よりも高いクリック単価を支払うケースもありますので、出来る限り広告ランクを上げて上位掲載することがリスティング広告効果を高めるコツです。
広告ランク改善で掲載順位を上げる方法
「広告掲載順位の仕組みや広告クリック単価の算出方法は分かったけど、実際どうすれば広告ランクを上げられる?」という方のために、実際に広告掲載順位をあげるためのいくつかの方法をお教えします。
改善方法1【入札単価を上げる】
広告ランクを上げる方法として1つ目は、「入札単価を上げる」方法です。
広告ランクの内訳は入札単価×品質スコアで構成されているため、手っ取り早く広告ランクを上げるなら入札単価を上げることで改善につなげることができます。
ただし、限られた予算の中で行う場合クリック単価が上がってしまいすぐに予算を消化してしまうことがあるため、どの広告グループやキーワードの入札単価を上げるのか慎重に考えて行う必要があります。
また広告ランクが上がり掲載順位が改善された際は、再度最適な入札単価に設定し無駄なコストを抑えることも重要です。
改善方法2【広告グループの精査を行う】
広告グループを作成する際に盛り込むキーワードや広告文が、様々ターゲットアクションやニーズを網羅しようとひとくくりにしてしまう方もいますが、そのいったケースは品質スコアを落とす原因にもなります。
広告グループの分け方の1つとして、検索ユーザーの行動・場所・時間(季節)・イベントなどいくつもの検索キーワード群に合わせてグループ作成することで、検索キーワードにマッチしたキーワード・広告文を表示させることができ品質スコアにもいい影響がでるため、出来る限りカテゴリを分けて設定することをおすすめします。
改善方法3【登録キーワード・広告文の変更修正】
リスティング広告では作成したら終わりではなく常に効果を上げるためにPDCAを回すことが重要です。
そのため、すでに登録したキーワードで効果の低いものを停止したり、効果に繋がる新たなキーワードの追加、より検索ユーザーのニーズにマッチした広告文の検証など行い品質ランクを改善していきます。
具体的な改善施策として、ユーザーの検索キーワードを広告キーワードに登録したり、広告に検索キーワードを盛り込んだ文章(広告見出しや説明文)にすることで検索ニーズとの広告の関連性を高めることができます。
改善方法4【遷移先LPの変更・修正】
品質スコア改善の要素として「ランディングページの利便性」があるため、広告クリック後にアクセスするLP内の情報が検索したユーザーのニーズを満たせるのか、ユーザーのサイト操作性(読み込みスピードが遅い・誘導先リンクがないなど)は問題ないかなどチェックしていく必要があります。
また広告用のLPであればメインビジュアルを2パターン用意してどちらがユーザーからの反応を得やすいのかABテストを行う方法もおすすめします。
広告クリエイティブに関しては理想的にはそれぞれのニーズを満たすランディングページを用意することですが、予算の兼ね合いで既存のサイトの下層ページしか誘導先がないといったケースもありますので、その際はどのページへ誘導するのが効果的かしっかりと吟味して選んでいきましょう。
まとめ
Google・Yahoo!リスティング広告運用は、広告を上位に掲載してCPCを抑えクリック率を上げるかが重要になりますので、impの減少やCTRの低下、CVRの低下などそれぞれ問題をひとつずつ分析し最適な改善策を検討していくことで最終成果に繋がります。
効果的な広告運用までに様々な課題がでてくると思いますが、冷静に対処して取り組んでみてください!